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無償化で保育士給料は変動する?〜幼児教育・保育が無償になりどんな影響があるのかを調査〜

無償化で保育士給料に影響はあるのか

2019年10月に、幼児教育・保育の無償化が実施されました。

無償化によって、保育士給料や働き方に影響することはあるのでしょうか?

2013年から国は待機児童問題の解決策として、保育士の給料や働き方の改善に力を入れてきました。

せっかく給料が改善してきているのに、この無償化によって保育士の給料が減る…なんてことになったら嫌ですよね。

また無償化によって給料問題だけでなく、労働環境に変化があるのかについても気になるところ。

ここではまず、幼児教育・保育の無償化がどのような制度なのかについて紹介します。

 

幼児教育・保育の無償化とは?

幼児教育・保育の無償化は、「人づくり革命」という新たな政策のうちの一つです。

「人づくり革命」とは、人材への投資です。

今回の無償化は「人づくり革命」の中の少子化対策の取り組みです。

保育関係の政策は全てひと括りに見えてしまいがちですが、保育士の処遇改善は待機児童対策無償化は少子化対策なのでそれぞれ違う問題のための政策なんです。

それでは、どのような場合に無償化が適用されるのかを見てみましょう!

幼児教育・保育無償化の内容
施設 年齢 内容
保育所 3〜5歳児クラス 無料
認定こども園 無料
障害児の発達支援 無料
幼稚園 月額25,700円まで無料
認可外保育施設 月額37,000円まで無料
※保育の必要性の認定を受けた場合のみ
幼稚園預かり保育 月額11,300円まで無料
※保育の必要性の認定を受けた場合のみ

このように、限度額が決まっているところや認定を受けなければならないところもありますが、基本的には利用料が無料もしくは減額されます。

ちなみに0歳〜2歳までは住民税非課税世帯の場合に無償化の対象になります。

 

無償化は子どもや親のための政策なので、一見保育士には関係なさそうですよね。

でも一つ気になるのが、この無償化で運営はどうなるのかという点です。

これまで保育施設のほとんどは、保育料もしくは国からの補助金で経営されていました。

保育料が支払われなくなるということは、保育士の人件費もそれだけ削られるのではないかと心配の声も上がっています。

でも安心してください。

無償化によって保育士の給料は変動しません!

保育士の給料が変わらない理由は、次項で詳しく解説していきます。

 

なぜ2019年10月に無償化されたのか

無償化は2019年10月から実施されたのですが、なぜこのタイミングだったのでしょうか?

実はこの時同じタイミングで、もう一つある政策が実施されたからです。

それが消費税率の引き上げです。

消費税が8%から10%に引き上げられたのも、2019年10月からでした。

この増税が無償化と深く関係しています。

 

そもそも幼児教育・保育の無償化を実現するためには、7,000億円を超える財源がかかります。

この無償化を行う財源を補うために消費税が10%に引き上げられたのです。

元々は増税によって集められた財源(5兆6,000億円)のうち、4兆円は国の借金に当てるつもりだったようでした。

しかし、安倍元総理大臣はその4兆円の中から1兆7000億円を教育の無償化に当てる方針に変更したのです。

こうして集めた財源を使って保育料を賄っているので、保育士の給料が削られることはないのです。

 

保育士への負担が大きくなるという声も

無償化で保育士の給料の変動がないと知り、ほっとした方も多いでしょう。

しかし無償化による不安の声は給料の問題だけではありません。

保育士の間では、無償化によって業務の負担が増えてしまうのではないかとささやかれているのです。

保育士の給料が減らないのは良いとしても、負担が増えるのであれば給料を上げてほしいところ。

それに元々仕事量が多い保育士さんは、これ以上負担を抱えたくないですよね。

では、なぜ無償化によって給料は変動しないのに、保育士の負担が増えると考えられているのでしょうか?

 

ニーズが高まり預かる子どもの数が増える

幼児教育・保育の無償化によって、さらに保育施設への需要は高まるでしょう。

潜在的に働きたいと思っている専業主婦の方も、子どもを預けやすくなりますよね。

このようにニーズが高くなり、預かる子どもの数が増えればそれだけ保育士の負担も大きくなります

園は定員が決まっているから大丈夫なのでは?と思うかもしれませんが、園の中にはやむを得ず定員を越えて子どもの受け入れを行うところもあります。

もちろん定員を超える場合は、新しい人員を揃えなければなりません。

そうなると、元々働いている保育士さんは通常の仕事に加えて新人教育の担当をしなければならず、業務負担が増える可能性があります。

さらに、無償化によって副食費を徴収しなければならない園は、事務作業や保護者対応が増えたと嘆く声もあります。

そもそも自治体によっては、原則として利用定員の超過を認めていなかったり、条件を満たさなければ超過が許可されないところもあります。

しかし近年では、自治体に超過していることを隠して子どもを受け入れている施設が問題になりました。

園は、「待機児童問題に困っている保護者を助けたかった」と主張していますが、子どもにとっては良い環境ではありませんでした。

この事件から、まだまだ待機児童問題は解決しておらず、保育士にも大きい負担がかかっていることが分かります。

 

今回の無償化は、待機児童問題が解決しないまま実施されたので、ニーズが高まる分さらに保育士への負担が大きくなるのではないかといわれています。

待機児童問題の早急な解決が必要です。

 

保育士の研修が増える可能性がある

無償化によって、今後保育の質を高めるための研修が増えるのではないかといわれています。

無償化で保育施設のニーズが増えるということは、待機児童問題を解決するために施設を新しく建てたり、保育士の確保をしなければなりません。

しかし新しい施設を建てるとなると、指導ができるベテラン保育士がおらず、経験の浅い保育士が増えてしまうのではないかという点が懸念されています。

そこで質を保つために、保育士が新たに研修を受けなければならなくなる可能性があるといわれています。

また、保育の質に関する規定などが厳しくなるかもしれません

研修と業務の両立は大変なので、こうなってくると給料を見直してほしいという声も多くなるでしょう。

 

休暇が取りづらくなる

無償化によって保育士の仕事が増えることで、休暇が取りづらくなるのではないかという心配があります。

特に元々保育士が足りていない施設だと、有給休暇を自分の希望通りに取ることができなくなるかもしれません。

もしも休暇が満足に取れなければ、保育の質も下がってしまいます。

無償化によって給料に変動はないものの、負担が多くなって休暇が取りづらくなるのであれば、無償化よりも保育士の処遇改善を優先してほしいという声も多いようです。

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無償化で保育士は転職しやすくなる

無償化によって保育士の負担は増えるといわれているものの、良い点もあります。

それは保育士のニーズが高くなるという点です。

2017年に「人づくり革命」の政策を掲げた時、無償化の他に2020年までに32万人分の保育施設の整備を掲げていました(「子育て安心プラン」)。

その結果、2018年から2020年の間に約31万2000人分の受け皿が確保されました。

目標達成には至らなかったものの、多くの保育施設が設立されているので、保育士は今まで以上に転職しやすい環境になっているのです。

 

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自分に合った給料・労働環境の保育園を探そう

もし、無償化が実施されてから業務の負担が増えた、今の給料では満足出来ないという保育士さんは、思い切って転職してもいいでしょう。

給料や労働環境に不満があって、園長や運営に抗議しても全く聞き入れてもらえないという場合は、今後改善する見込みはありません。

無償化で保育士のニーズが高まっているので、どうにもならない時は思い切って転職を考えても良いでしょう

また新しい施設では、保育士の経験が長い人ほど優先的に雇用されやすくなります

そこで、転職をする時に求人情報のどのような点をチェックしておくべきなのかを紹介します。

求人情報のチェックすべき項目
確認事項 内容
雇用形態 正社員/契約社員/パート・アルバイト
給料 月給/時給
勤務時間 実働時間/休憩時間
求める人材・環境 保育方針/初心者歓迎/ブランクOK/男性保育士/新卒歓迎/オープニング/英語が使える
仕事内容 乳児保育のみ/0歳から2歳児/0歳児から5歳児
賞与 賞与の年間回数/昇給制度の有無
手当・補助 処遇手当/地域手当/その他(経験手当・資格手当など)
福利厚生 社会保険/交通費/退職金/引っ越し代一部負担/家賃補助/昼食補助・給食/健康診断/短時間勤務制度/研修制度/職員の子ども預かり制度/車通勤可/制服支給
休日・休暇 土曜出勤の有無/週休/年間休日/祝日/年末年始/有給休暇/その他(産後・育児・慶弔・介護など)
残業時間 残業・持ち帰りの仕事の有無
園見学 面接前の園見学の有無

求人情報を調べたところ、園によって雇用の仕方は様々です。

まずはこの表を見て「ここは譲れない」という項目や内容をチェックしておきましょう。

例えば、

雇用形態は正社員、月給20万円以上、週休2日、福利厚生は社会保険と交通費は絶対に必要、残業はなし、昇給制度あり、事前に園見学ができるところ

と自分の希望を書き出しておくと、数ある求人情報の中から自分に合った園が探しやすくなりますよ!

給料に関しては内訳を細かく書いている園もありました。

給料の表記例・・・基本給21万円+処遇手当13,000円+地域手当12,000円=23万5,000円

このようにきちんと給料の内訳を書かれているところは、処遇手当を受け取れることが分かりますよね。

中には、給料に処遇手当が加算されているか分からないという保育士さんもいると思います。

現在働いているの園の労働環境や給料で悩んでいる方は、転職先を決める時にしっかり調べておきましょう。

給与や待遇だけじゃない!園の運営方針なども保育士バンクでチェックしよう!

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無償化によって給料は変わらないものの負担が増える

幼児教育・保育の無償化によって保育士の給料に大きな変動はありません。

しかし、無償化が始まってから事務作業が増えたりと保育士の負担が大きくなってきているようです。

負担が増えるならその分給料を上げてほしいところですよね。

一応無償化が行われる前、2019年4月に給料が1%(約3,000円)引き上げされていますが、低い給料に悩む保育士さんはまだまだ多いです。

ただ2021年には高所得者の児童手当廃止の法案が決定しました。

これにより浮いた財源が待機児童対策に当てられるといわれています。

そのため、無償化によって増えた保育士の負担や給料問題に関しては、これからも改善されていく見込みはあります。


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