保育士

保育士の給料は上がるのか?5万円UPでも足りないという声も

保育士さんが抱える大きなお悩みといえば「給料問題」。

責任や業務の大変さに見合わない低い給料に、多くの保育士さんが不満に感じているようです。

今回はそんな保育士さんの給料問題について、まとめてみました。

今の職場、給料低すぎるかも!?転職を考えたら保育士バンクに相談してみよう!

無料で使える転職支援サイト『保育士バンク!』について調べてみました♪

記事はコチラ

 

保育士の給料が上がるなら5万円以上を希望!

保育士子どもを預かる責任の重い仕事なのに、給料が低いとよく言われています。

実際にそう感じている保育士さんは多いのではないでしょうか?

これから保育士の給料は上がるのか、それともこのまま低賃金で働かないといけないのか気になりますよね。

国はこれまで、保育士の給料が上がるように様々な政策を打ち出しています。

しかし急激に保育士の給料が上がるというわけではなく、1〜3%ずつベースアップしている状況です。

そのため、まだまだ所得の低い保育士の中には、5万円以上の金額を支給して欲しいという声を上げる人もいます。

 

5万円給料UPでも働きたいとは思わない

潜在保育士の中には、5万円出されても働こうと思わないという声もあります。

5万円でも足りないとなると、どのくらい上がるのであれば潜在保育士が再び復職したいと思うのでしょうか?

2016年、潜在保育士213名を対象に、保育士として復職を考えているかなどを調査するためのアンケートが行われました。

まずはそのアンケート内容の一部をピックアップして紹介します。

  • 今後保育士として復職したくない・・・79.8%
  • 復職したくない理由・・・給料が安い87.1%、業務量や残業が多い65.3%
  • 保育士として働いていた時の月給の手取りが15万円未満・・・54.5%
  • 給与が5万円アップしても復職したくない・・・76.4%
  • 給与が10万円アップしたら復職したい・・・86.5%

なんと保育士として復職したくない人が79%以上もいるんです。

そしてその原因が給料の低さです。

このアンケート結果を見ても分かる通り、回答した潜在保育士の50%以上が手取り15万円未満の低賃金で働いていました。

もし給与が5万円上がることになると、手取りは20万ほど受け取れます。

それでも保育士として働きたくないのは、業務量や残業が多いことも原因の一つになっていると考えられます。

そして給与が10万円上がるのであれば復職を考えるということは、保育士が労働量にそれだけの対価を求めていることが分かります。

しかし様々な政策が行われている今でも、まだ手取り15万円以下で働いている保育士さんがいるのが現状です。

だからこそ、5万円上がるといわれても保育士として働きたくないという声が多いのです。

 

国の政策で保育士の給料はどれくらい上がるの?

保育士の間では5万円UPでも足りないという声があるのですが、2013年から始まった保育士の処遇改善の政策によって、給料はどれくらい上がるようになったのでしょうか?

5万円以上給料が上がるようになったのかというと、残念ながらほとんどの保育士が5万円以上の金額には達していません

現在実施されている政策は、全ての保育士に適用されるものとそうでないものがあるからです。

ここでは国の政策で保育士の給料がどのくらい上がるのか5万円以上給料が上がるケースはあるのか詳しく解説していきます。

 

処遇改善等加算で給料の水準UP

国の政策には、処遇改善等加算Ⅰと処遇改善等加算Ⅱの二つがあります。

処遇改善等加算Ⅰは主に平均経験年数や賃金改善、キャリアアップの人件費の加算を行っている施設の水準が上がるようになる制度です。

処遇改善等加算Ⅰ
①基礎分 1人あたりの平均経験年数に応じて2%〜12%上がる
②賃金改善要件分 賃金改善を行っている施設は5%上がる(平均勤続年数11年以上の施設は6%上がる)
※賃金改善の実績報告書の提出が求められる
※キャリアパス要件を満たしていない場合は3〜4%
③キャリアパス要件分 ②の内数
※職務内容に応じた勤務条件・賃金を設定している
※資質向上の計画があり、計画に沿った研修を開催もしくはその機会を設けており、職員が周知している

保育士の賃金改善や質の向上を積極的に行っている施設であれば、それに応じた加算額が得られるというわけです。

そしてもう一つの処遇改善等加算Ⅱは、保育士の役職を増やしてキャリアアップしやすい環境を整え、そのキャリアに応じて昇給できる制度です。

これまでは園長と主任しか役職がありませんでしたが、この制度によって以下の役職が増えました。

処遇改善等加算Ⅱ
副主任保育士等
(副主任保育士・専門リーダー・中核リーダーに相当する職位)
月4万円の処遇改善
※経験年数が概ね7年以上
※4分野以上のキャリアアップ研修を受けている
職務分野別リーダー等
(職務分別リーダー・若手リーダーに相当する職位)
月5,000円の処遇改善
※経験年数が概ね3年以上
※担当する分野のキャリアアップ研修を受けている

処遇改善等加算Ⅱでは、もしも役職に就くことができれば、一気に4万円UPします。

処遇改善等加算Ⅰとあわせる時には不均衡を微調整しなければなりませんが、頑張り次第では5万円上がる可能性もあるのです。

そのため、5万円以上の給料UPを実現できないわけではないのです。

ただ5万円以上UPするには、それだけ保育士としての経験年数と研修を受ける時間が必要になります。

 

2013年からの政策で約13%改善している

保育士の給料対策は2013年から続いており、これまでに約13%改善しているといわれています。

実際に比べてみると、2013年の保育士の平均給料は約21万円でしたが、2019年には約24万円にアップしています。

確かに3万ほど上がっている事が分かりますね!

 

急に保育士の給料が5万円上がることはありませんが、このように少しずつ改善しているのです。

ただ全体の水準が上がっていることは喜ばしいのですが、実はまだ10万円台の給与額で働いている保育士もいます。

実際に保育士の求人情報を見てみると、正社員でも額面給与が16万円〜というところもあるのです。

 

保育士の給料が5万円以上UPしない理由とは

現在では国の政策によって水準はキープされているものの、いまだに保育士の不満の声は消えません。

だったら、保育士の給料が5万円以上一気に上がるような政策をすればいいのに…と思いますよね。

しかしお金は無限ではないので、5万円以上上がるようにするにはそれだけの財源を確保する必要があります。

財源を確保するには、国の借金を増やしたり増税したりいくつか手は考えられますが、いずれも慎重に判断する必要があります。

だから簡単に保育士の給料が5万円も上がるような政策ができないのです。

 

最近では岡山県倉敷市が新型コロナウイルスの流行を受けて、保育士に慰労金を最大5万円給付しましたが、これは一回限りの給付で毎月5万円もらえるようになったわけではありません。

各自治体でも財源に限りがあるので、5万円給料が上がるように手当を出すことは難しいのです。

とはいえ「5万円上がるとしても復職しない」という声もあるように、いまだに給与額が10万円台の低所得者がいるのが現状です。

5万円以上の手当とはいかずとも、全体が約13%アップしている状態で、なぜいまだに低所得者がいるのかここでは詳しく解説していきます。

こちらも読まれています

保育士7年目でも給料が上がらない!〜手取り12万円の現状に処遇改善を求める声〜

記事はこちら

 

低所得の給料が上がりにくい

そもそも国が行っている政策自体、低所得者の給料が劇的に上がるものではないのです。

先程処遇改善等加算ⅠとⅡをあわせれば5万円上がる可能性もあると書きましたが、それは保育士全員に当てはまるわけではありません。

それなりに経験年数を重ねた人だけで、給料の低い新卒保育士には条件が当てはまらないのです。

ただ、政府は加算方式だけでなく全保育士を対象にベースアップも行っています。

例えば、2015年には保育士の給料が全体で約3%ベースアップされました。

3%のベースアップということは、月給20万円の保育士は6,000円受け取れることになります。

しかし月給16万円の保育士は4,800円です。

このように数%のベースアップだと低所得者は少ない金額しか受け取れないので、高所得者と低所得者の差はいつまでも縮まらないのです。

つまり、全体の水準を上げることはできても、低所得者の給料改善にはまだまだ問題点が多いということです。

 

人件費に回せるお金がない

2018年に行われた保育関係の集会では、休暇の取りにくさや認可保育所の人件費の見積もりが低すぎるという訴えがありました。

この集会に参加した私立の認可保育園の園長は、なんと月給25万円だというのです。

その原因は、自治体を通して支払われる人件費の見積もり(公定価格)が低いからだと訴えています。

公定価格の見直しは2019年にも行われていますが、これによって劇的に変化したわけではありません。

そのほとんどが処遇改善等加算Ⅰと処遇改善等加算Ⅱの運用や配分の見直しでした。

一方集会では、加算方式での処遇改善ではなく、全体の賃金をもっと底上げするような訴えもありました

こうして比べると保育士が求めていることと、国の政策が食い違っている事が分かりますね。

 

さらに「委託費の弾力運用」の規制緩和(人件費などを別の費用に運用できる)によって人件費が削られているという問題点もあります。

この「委託費の弾力運用」は、社会福祉法人であれば介護施設にまで流用することができます。

本来なら保育士に当てられるはずの人件費が、介護施設の費用に回される…なんてことにもなっているのです。

こうしてどんどん費用は削られ、保育士の人件費に回すお金が少なくなっているのです。

 

国の政策が上手く機能していない

これまでの政策は5万円以上給料が上がるものではありませんでしたが、それでもきちんと受け取っていれば約13%アップに期待できます。

しかし現状はそれを実感していない保育士が多いのです。

 

これは運営側が不正を行い、正当な額を保育士へ配当していないことが原因の一つです。

また先程も触れた「委託費の弾力運用」の規制緩和による流用も、その原因だと考えられます。

他にも費用の用途に縛りのない認可外の保育所が、正当な額を払っていない可能性があるといわれています。

例えば企業主導型保育の場合、整備費や運用費などの初期費用の一部を助成してくれます。

多くの企業がその助成金目当てで保育事業に手を伸ばしたのですが、監査が入ったところ7割(303ヶ所)の事業で保育士の数が確保できておらず、指導監査基準に抵触していたことが判明しました。

さらには保育の質が保たれていなかった(うつ伏せ寝のまま放置、アレルギー対策のマニュアルがない、医務室がない、乳幼児転落防止設備がないなど)問題点が浮上しました。

中には10項目も指摘されている事業もあります。

助成金欲しさに素人の企業が手を出した結果、ずさんな労働環境の施設が増えている状況なのです。

 

このように利益を最優先に考える運営は、給料や残業代などをちゃんと渡しているのか怪しいところもあります。

つまり、国の政策の全てが良い方向に行っているわけではなく、ブラック保育園を増やしてしまうきっかけになっていることもあるのです。

これにより保育士の給料が5万円上がるどころか、保育の質や保育士の待遇がこれまで以上に悪くなっているといわれています。

 

今後5万円以上給料が上がる可能性はある?

今後、5万円以上給料が上がるのか気になる方が多いのではないでしょうか?

現在平均給与の水準は上がっているので、もしかしてこれ以上上がることはないのではないかと不安になります。

しかし今の政策は運営任せなところが多く、処遇改善手当をちゃんと受け取れていない保育士もいますよね

もし上がることがないなら、保育士を辞めて転職を考えたいという方もいるでしょう。

 

でも5万円以上給料が上がるような政策を打ち出すためには、それだけの財源を集めなければなりません。

現在40万人ほど保育士がいるので、5万円上げるとなると単純計算で200億円は必要になります。

そのため5万円以上UPは今後も難しいと考えられます。

 

高収入世帯の児童手当廃止で給料UPに期待の声

今後も5万円以上一気に給料が上がるような政策は難しいですが、今後絶対に給料が上がらないわけではありません。

2021年2月2日には、1200万円以上の収入がある世帯の児童手当が廃止されることが決定しました。

これによって浮いた財源が、待機児童問題や保育士の処遇改善に使用されるといわれています。

ただ全ての財源が保育士の給料改善に使われるわけではないので、いきなり5万円上がるのではなく、これまで通り少しずつ上がる可能性が高いです。

ここで財源を確保したということは、また別の角度からのアプローチで保育士の処遇改善を考えているのかもしれませんね。

 

保育関係の予算がどのように使われるのかチェック!

保育士の給料は5万円UPとはいきませんが、ちゃんとした運営なら処遇改善手当が出ているので金額はUPしているはずです。

しかし中には政策の穴を見つけて不正受給をしようとするブラック保育園もあります。

 

今後は、そんなずさんな運営のブラック保育園の労働環境や給料改善が期待されています。

また、現在は高収入世代の児童手当を廃止してまで財源を確保しているので、これから保育関係の予算がどのように使われるのかにも注目です。

-保育士

© 2022 保育士転職研究所